真夜中の雨 : レヴュー(TV DRAMA)
(Update:2005/05/05)
【放送】 2002年10月10日〜12月19日 【木10 枠】
<演出>若松節朗・福澤克雄・松原浩・村谷嘉則
<脚本>福田靖 <プロデューサー>伊佐野英樹・瀬戸口克陽
<企画原案>安倍照男・長谷川弓子 <音楽>住友紀人 (以上、敬称略)
【平均視聴率13.7%】
〔あらすじ〕
組織に縛られることを嫌う孤独で冷徹な天才外科医・都倉隆(織田さん)と心に傷をもつ女性刑事・水澤由紀子(松雪泰子)を中心に織り成す人間模様のドラマ。
2人の運命が、ある一点で重なったとき2人の過去が......。執拗に仕組まれた出会い、そして複雑にからみあった運命の糸に翻弄されることになる。
都倉の母親・加山亜紀枝(八木小織)が21年前に殺された。次々とその事件に関係する人物が泉田病院に集められてくることに。いったい犯人の狙いは?
「#1 危険なめぐり逢い」 (放送日 2002/10/10:初回15分拡大) ============================
仙台中央大学付属病院に勤務していたが、学内の派閥や人間関係などに嫌気がさしていた外科医・都倉。
全国から優秀な医者が集まる個人病院の泉田病院。
そこの事務長・安藤(石黒賢)にヘッドハンティングされ、移籍を決意した。実績に見合った報酬を手にすることができる正当な場所。
着任したその日、急患受け入れの要請が入る。
患者は由紀子に撃たれ、瀕死状態の殺人犯・及川(東幹久)。
強盗殺人犯と知った都倉は、院長・泉田慶一郎(長塚京三)の受け入れ拒否の指示に背き患者を受け入れ、緊急手術を強行し、院長の反感を買うことに。
都倉の天才的な手術で及川は一命をとりとめる。しかし由紀子は、強盗殺人の残忍さが人間として絶対に許せないと、犯人を助けた都倉に怒りをぶつけるのだ。
「患者が生きるか死ぬかは、最高のギャンブルでしょう」
「外科医は切って剥がして縫い合わせるだけ。ハートは必要ない」
都倉は、こぉいぅセリフが出てくる通り敏腕ではあるものの、非情な人間として描かれている。
しかし、そんな都倉にも過去に大きな出来事を抱えていて、何かのために冷徹さを装っているようだ。優れた技術をもちながらも、組織に縛られることを嫌う、一匹狼の外科医である。
また、及川に殺された被害者の子供が彫刻刀をもって病院に忍び込み、騒ぎを起こす。
その一部始終を見ていた都倉は、由紀子に「撃つならしっかり撃てよ」と、意味深なひと言を漏らす。
幼い頃に両親を亡くし、奨学金を貰って医学部を卒業する。
大学病院で頭角を現すも、手柄は全て教授に取られる、そんなことに嫌気がさし安藤からのヘッドハンティングで、泉田病院への移籍を決意。
手術の見事なテクニックで看板外科医の地位を獲得する。
水澤由紀子
「あんなことするヤツに生きる資格があるの?」
男社会の警察という組織の中で生き抜いていこうとするも、なかなか同僚の目は冷たい。
また「水」に対する非常な恐怖心をもっている。しかし、ごく一部の親しい人間しか知らず、刑事仲間にも秘密のことである。 刑事ではあるものの、幼少期のトラウマのせいで溜まった水が怖く捜査にも支障をきたすほど。
しかし、自分の生い立ちが関係している、この過去を都倉にだけは話すことになる。
泉田病院の事務長・安藤
「あなたの腕が欲しい」
「ドクターは、正当に評価される場所でこそ才能を活かせるんです」
泉田院長の絶大なる信頼を受けており、院長の手先としても暗躍している男。
また、次期院長と自負する俊介を冷めた目でみている。
泉田病院長・泉田慶一郎
「院長の命令は絶対だ。金が欲しければ従ってもらう」
「ここまでひどかったら普通はおしまいだ。なかなかやるじゃないか」
「事務長、都倉くんの報酬を見直してやれ。宣伝費だと思えば安い買い物だ」
一代で泉田病院を築く。権力志向を如実に表に出しながらも、バッサリと手のひらを返してくる。
自分の命令に従わない都倉を一時は解雇しようともするが、類まれな技術に利用価値を見出している。
そんな院長は「病院を世襲制にするつもりは無い」とも言い放つ。
泉田俊介
「俺が次期院長だ。親父とは違う病院につくりかえる」
院長の長男。ニューヨーク留学から帰国、泉田病院の外科医主任に。
自分が院長になったら父親のブレーンを病院から排除し、現代の医療の最先端をいく病院にする、という野心家でもある。
織田さんは「真夜中の雨」のインタヴューで、この第1話の由紀子とダイニングバーで会うシーンでは、都倉のチャーミングな面を見せたいとも仰っていました。そんなことを考えながらご覧頂くのも宜しいかと^^;
「#2 彼の悲しい告白」 (放送日 2002/10/17) =====================
元警察官学校の教官で由紀子の恩師・三枝(平泉成)が外科に回されてきた。
心筋梗塞で、次の発作が起きれば命とりになる危険な状態。手術でしか助かる見込みはないものの、その手術の成功率も極めて低い。
そんな手術に都倉は名乗りを上げるも、泉田病院と深い関係にある慶明医大から患者を回してほしいとの連絡が入る。
都倉「助かる見込みの少ない患者は、どうぞモルモットにして下さいと差し出す関係なんですね」 いきなり毒づく。
そんな都倉と俊介(阿部寛)は、院長たちの思惑に反発し、この泉田病院で最善の手術を尽くすことを提案する。
一方、由希子は前回の肩の傷の抜糸で都倉の元へ。
込み合っている待合所の中、院長のひと言で、いきなりオペ室へ案内される。由希子「どうしてあたしは特別なの?」
都倉は患者・三枝から手術の同意を得る。この行われる手術に関して、リスクについても丁寧に説明しながらも、実に温かく患者を勇気付けるのだ。
冷徹な都倉からは想像もできないほどの優しさである。こんな風にチラッと見せる優しい一面と他を寄せ付けないような冷たさ、そのギャップが正に都倉の心情なのであろう。
それにしても都倉は、患者・三枝には実に頼もしい存在である。
都倉「20%あれば大丈夫ですよ。僕は失敗しない」 自信の表れのセリフである。
三枝の担当医が都倉になったことを知った由希子は、手術の可能性を都倉に確かめに行く。
しかし由希子は、都倉に逆に自分のトラウマのこと(水が怖いということ)を突っ込まれ、
由希子「どうしてこんなことになっちゃうの。医者だったらわかるんじゃないの?」
都倉「あなたの傷は外科医には治せません」 と冷たく言い放たれる。
そしてまた、もぉひとつのカップル?!安藤とマキ(田中美里)。
安藤「優秀なドクターを抱えてるヤツが、最後には勝つんだよ」 やはり安藤の目的は病院の乗っ取りっなのか。
都倉の人間性が気にかかり、彼の身辺を探り始める由希子。そして、都倉の大学時代の知り合いを訪ねあて、都倉とはあまり交流がなかったものの、クラスメートだった男に話が聞けた。
元クラスメート「なんか、家庭が複雑だったみたいですよ」 幼少の頃に両親を失い、複雑な家庭環境で育ってきたことが分かる。
そんな折、三枝の容態が悪化する。院長は転院を指示するも由紀子が院長に圧力をかけ、都倉と俊介が執刀することになる。
手術は成功したかにみえた。が、突然、心臓が停止し彼らの必死の努力も甲斐なく結局、三枝は死んでしまう。執刀した2人は院長に謝罪する。
駐車場で改めて命を救うこと難しさを痛感している都倉。(←この切ない表情には心が揺さぶられます)その都倉に由紀子は感謝する。
しかし、自分の過去を調べたことに激怒した都倉は、由紀子を乗せて夜の波止場まで車を走らせる。
そして、岸壁ギリギリに車を止める。そぉ、目の前は暗い闇に包まれた真っ黒な海だ。由紀子は、目の前に現れた光景に驚愕する。
都倉「ガキの頃水に溺れたからどぉしたって!? そんなこと聞かされたって迷惑なんだよ! こんなことにぐらいに怯えてるようなアンタに、俺の何が分かるっ!!」
由紀子「ただ溺れたからじゃない。両親も一緒だったの。湖に落ちて助かったのは私だけ」
都倉「そんなふうに涙を流せたらどれだけいいか。俺の母親は死んだんじゃない......。俺の目の前で、殺されたんだ」
「#3 21年間も眠り続ける男の正体」 (放送日 2002/10/24) ===========================
泉田病院で、長年にわたって眠り続け植物状態の患者・田中(佐戸井けん太)に覚醒の兆候があらわれた。
都倉は、この田中を徹底的に調べようとするが、院長と俊介の反対にあう。
一方、信哉(松岡俊介)は密かに田中のレントゲン写真を入手、都倉に渡す。写真はすぐに院長に取り上げられてしまうも写真を見た都倉は、「21年前の交通事故」そして「山梨」。母親が殺されたときとの妙な共通項。
都倉は、この田中という人物が、自分の母親を殺した犯人なのでは?という疑惑をもちはじめる。
また、身寄りがなさそうな田中には入院費用として毎月200万円の送金がある。いったい誰が何の目的で送金し続けているのか?
そして院長は「植物状態のまま積極的な治療をしないように」と依頼されているとも言う。そんな謎めいたことが、母親が殺された事件と何か繋がるかも......、そぉ思った都倉は、由紀子に調べてもらうことに。
都倉は自分のことを詮索している由紀子を呼び出す。しかし話す間もなく女性の悲鳴が響く。
そこには院長の娘・香織(山田麻衣子)の姿が。香織は男から麻薬を買うように強要されていたのだ。由紀子は男を突き飛ばし、香織は難を逃れる。しかし焦った男はナイフを出し逃走しようとしたが、誤って客を刺してしまう。
被害者が危険な状況を察知し都倉は近くの病院で緊急オペを始める。
麻薬強要の事件で都倉に世話になった香織。都倉のことが気になるらしく、院長が都倉から取り上げたレントゲン写真を取り返してくる。
香織「コレ、口止め料。......、あなたは信用できそう」 レントゲン写真を袋から出そうとしたとき、1枚の紙「所見書」が......。
院長命令で患者・田中に手を出すことを禁じられていた都倉ではあったが、この植物状態の患者が、亡き母親の敵だと確信する。
しかも植物状態だった「田中」とは、実は偽名であった。
田中の本名である「三輪忠志」、それを由希子に電話で確認する都倉。その名前を聞いた由希子は......愕然。
都倉は、深夜の病室に忍び込み、この患者に点滴を注入する。果たして何を注入したのか。患者への復讐のためなのか、それとも覚醒させるための注入なのか?!
由紀子は、この患者が自分の父親であることを知り、雨の降りしきる真夜中、泉田病院にやってきて病室に駆け込むのである。
由希子「どうしてここにいるの、お父さん......」
都倉「あなたの、お父さん?」 そぉ、21年前の事故で、2人は既に出会っていたのだ。
「#4 胸が引き裂かれる辛い思い出」 (放送日 2002/10/31) ===========================
植物状態の患者は、由紀子の父親だったのだ。それを知った由紀子は院長に詰め寄る。何かしらの言い訳を並べる院長。
院長「私の、医者としての良心です」
無事、三輪(=田中)の主治医になれた都倉。そんな折、暴行障害事件を起こして逃走中の片桐(大沢樹生)の情報が回ってくる。その片桐は...... 都倉の中学の同級生であった。
都倉「僕に金を借りに来る。違いますか?」
案の定、片桐は、泉田病院に現れた。しかし警察がいることを知り、看護婦・マキを人質にとる。そして患者や多くの病院スタッフの見守る中、都倉の過去を暴露するのだった。
片桐「医者になって偉くなったつもりかよ」 片桐の口から都倉の生い立ちが次々と語られていく。
由希子は勇気をふりしぼって、自分の人生を変えた事故の現場へ行くことに......。
富士見湖畔のバス停でバスを降り、事故現場に一歩、一歩とふらつき、目をつぶりながら進み出る由紀子。目の前には静かな湖面をたたえた事故現場、富士見湖が。
しかし、そこに立っていたのは...... 都倉。
由紀子「どぉして、あなたはココに?」
都倉「きみがお父さんと聞いたピアノ。俺も覚えてる」
由紀子「えっ?」
都倉「あの養護施設にはよく遊びに行った。ピアノを弾いてたのは......、俺の母親だ」
由紀子「ちょっと待って!? どぉいうこと?」
都倉「俺達はあの時出会ってたんだ。そして俺もあの事故で母親を失くした。俺はこの場所で人生が変わった。......、きみもだろ?」
由紀子「じゃぁ、あなたのお母さんがあの車を運転していたの?」
都倉「違う、違う! あの車には、もぉ1人男が乗ってた」
「#5 森に消えた男の驚くべき正体」 (放送日 2002/11/07) ===========================
都倉と由希子は、21年前の事故の詳細を調べるため、富士美署を訪れる。事件を担当した刑事が戻ってくるまで雑談する2人。
都倉「俺は、父親の顔を知らないんです」 しかし、このシーン。正直なところ、この一連のセリフよりも、どぉしても『警察で出されるカツ丼は自腹』(←そぉなの?)の話の方に頭がいってしまう^^;
一方、泉田病院では安藤の失態で経営困難な危機に直面していた。そんななか改善策を考えた俊介は、都倉に公開オペを頼む。
一度は拒否する都倉だったが、オペの患者を指名することで了承する。
都倉「1人、いい患者がいます」 都倉はなんと、現在昏睡状態ではあるものの、唯一の手がかりを持っていそうな母の知り合いである女性を指名する。胸部解離性大動脈瘤の患者である。
都倉の手術はもちろん成功。由紀子は雨降りしきる外を待合所にてコーヒーを飲みながら待っていた。
患者の娘が手術のお礼にと都倉の母が写っている昔の写真を都倉へ託す。何枚かの写真を丹念に見る由紀子。そして、大勢が写っている写真を見る、一人一人を......。
由希子は愕然とする。そんなところへ都倉が現れる。
由紀子は都倉にその写真を見せる。由紀子の意味ありげな視線に後押しされて、写真を見てみる。そこには......。
この写真を見る一連のシーンは実に見応えがあります。
雷鳴とどろく豪雨の外が映り、薄明かりの中で見るお礼にもらった写真。
ゆっくりと写真をたどる視線の流れ。ある箇所が指で隠れて見えない写真。
そして持ち替えた瞬間、由紀子に画面が切り替わり驚愕の目が映し出される。
そして、そこへ都倉が。
シーンシーケンス(←シーンの中に「起承転」を儲けることで、シーン最後の「転」が、また次のシーンの起を生んでいく、そぉいぅ技法があるそうで)効果が炸裂。
ついに顔が見える。
連続する雷鳴。写真と稲妻が交互に映し出される。そして写真の、その箇所にカメラはよる。
都倉「なんで......、なんで院長が」
静まり返った夜の誰もいない院内に都倉を呼び出す案内が響く。公開オペの成功の会見が始まるのだ。主役は都倉。
何もしらない院長は拍手で都倉を迎え、そして手をさしのべ握手を......。暫し動揺していた都倉だったが、意を決したように挑んだ表情で都倉は手を伸ばす。
「#6 彼が動き出す」 (放送日 2002/11/14) ====================
21年前、あの事故の日に運転していたのが院長だと確信した都倉。
さらに前回#5で手術を行った患者・橘真理子(=母の知りあい:高林由紀子)が意識を取り戻し、彼女の口から衝撃の事実が......。
都倉「この端に写っている男性は?」
橘「よく亜紀枝さんを訪ねてきたわ」
都倉「どぉして?」
橘「だって、お父さんだもの」
都倉「えっ?」
橘「隆くんのお父さんです」
養護施設・麓鳴苑の集合写真を見た橘の証言。改めて衝撃を受ける都倉。
そして、都倉は、院長と自分のDNA鑑定を密かに実行するのだった。
その患者を勝手に退院させてしまったと都倉は院長に呼ばれる。
院長が実の父親であるという事実をDNA鑑定も決定付けた。院長の激昂に、そのDNA鑑定書を握り締める都倉。
院長「この病院のために多くを犠牲にしてきた」
院長からは冷たい言葉しか返ってこない。
母の事故死もこの病院のための犠牲の一つであり、また自分も捨てられた子だという思いを改めて深く胸に刻むことになる。
都倉「院長のことが、よくわかった気がします」
そしてついに都倉による院長への復讐が始まる!
都倉は経営建て直しで苦境に立つ安藤と手を組む。
そして、その安藤に一千万を用意させる。都倉は自分を敵対視していた慶明医大派の粕谷(芹沢名人)の誤診を指摘、弱みを握るや、慶明医大の小笠原教授(津嘉山正種)のところへ向かう。
目的は、第2外科を作るために口添えをもらうことである。
都倉「教授にお願いがあります」
胸部解離性大動脈瘤の手術成功の新聞掲載記事の写真が、自分から「都倉」に差し変わったことに激怒する院長。
その院長は、都倉にクビを言い渡すも、その直後の小笠原教授からの電話で第2外科の話を受けることになる。
院長が俊介に「あいつは、お前が思ってるような男じゃないぞ」
ことごとく院長に逆らう都倉。長塚さんが織田さんの胸ぐらをグッとつかむ、迫力あるシーンもありました。
演じていらした長塚さんも『都倉も慶一郎もお互いの気持ちがピークに来てるなと感じられていたシーン』と振り返っていらっしゃいました。
「#7 父の深い衝撃」 (放送日 2002/11/21) ====================
21年前の事故に院長が関わっていた。その事実を知った都倉。
自分の母親を見殺しにした院長に復讐するため、都倉はイロンナ策を練る。人が変わったようにあからさまに自分の実績を誇りだす都倉、そんな都倉に由紀子は驚きを隠せない。
また今まで好意的だった俊介も敵意を持ち始める。都倉に裏切られた、という思いだ。
都倉が主任になった第2外科の業績は、うなぎのぼり。オペスケジュールを見た院長は、まんざらでもない。
院長「うちが財政を立て直すまでは、彼の好きにさせてやろう」
一方、都倉とは裏腹に患者が激減の第1外科の主任の俊介。2人の確執は深まるばかりだ。
お互いの技術を競うかのように2人の手術シーンが映し出されるが、やはり都倉のほうが上回っているのは明白。
都倉と廊下ですれ違いざまに、
俊介「俺は君がこんなに変わり身の早い人間だとは思わなかった」
都倉と事務長は、次の手として診療科目のリストラを迫り院長を揺さぶりをかけようとしていた。
病院の乗っ取りを企んでいたかにみえた都倉だったが、実は病院を救うことを考えていたのだ。しかし、院長室の前で中から聞こえてくる院長と俊介の話し声。
俊介「俺は親父の息子だぞ。俺がこの病院を救ってやるよ」
そんなとき、香織のBirthday パーティーに呼ばれる都倉。
彼女の誕生日は今から21年前、1981年11月23日、都倉親子が事故にあい、母親が死んだその日だった。
その事実を知った都倉は愕然としながらも、パーティーに出席する。その場の重い雰囲気をやわらげようとする信哉。
信哉「みなさん、香織が生まれた時のことを発表しちゃいます」
彼女が産まれた日、出張していた父(院長)が、ずぶぬれで出産に駆けつけた、という話を聞いた都倉は益々自分たちが捨てられたという思いを強くする。
「なにか誕生祝いのスピーチを」と促され、自分の思い出を話しかけるも途中でやめてしまう。
今ここで繰り広げられている泉田家の幸せな家族の団らん。それに引き換え、自分の生い立ち......。
やりきれない思いがこみ上げてくる。そんな感情を抑えきれず、パーティーを途中で抜けた都倉。
その都倉に由紀子の父親が覚醒しかかった、という連絡が入り、病院へ向かう。しかし、覚醒にはまだほど遠い、意識はないものの涙まで流した三輪。
由紀子「この日に、何かを言いたい思いが彼をそうさせたのではないか......」と呟く。
パーティーを終えた香織が父の無礼を詫びに都倉を病院まで追いかけてくる。
が、階段で足を滑らし転倒してしまう。すぐに院長を始め泉田家の人間が集まってくる。
幸い香織の怪我は足の骨折だけで済んだ。しかし処置を終えた都倉に向かって、また胸ぐらをつかみ、
院長「私の大事な家族に、二度とかかわるんじゃない!もぉ一度言うぞ、大事な家族に二度とかかわるな!」
都倉「僕だって分かってる。あなたにとって家族は彼らだ。そんなことは分かってる。......、だけど、それが僕らを置き去りにした理由なんですか?」
そしてついに自分が院長の息子であることを告白する。
都倉「僕はあなたの息子なんです」
馬鹿げたことを言い出すな、とでも言いたげな院長。勿論、信じるわけもない。
そしてついに都倉はDNA鑑定書を差し出す。それを見た院長、何か言おうとするが、言えないまま持病の心臓発作で倒れてしまう。ここの長塚さんの迫真の演技は、さすが凄い、圧巻です!
「#8 父と二人の息子」 (放送日 2002/11/28) =====================
都倉の驚くべき告白の最中に、院長は心臓発作で倒れてしまった。
根本的な治療のためには、至極成功率の低いバチスタという手術しかない。病床の父と俊介が話しているところに都倉が入ってくる。
院長「身内をオペするのは無理だ。冷静な判断ができない」
俊介「俺なら大丈夫だ」
院長「俺の主治医は都倉先生だ」
院長は、都倉と俊介、2人の息子の前でこぅ告げるのであった。俊介は父からの命令を安藤に告げるため、納得できなくも部屋を出る。
都倉「僕も身内ですよ」
院長「俺の息子だというなら証拠を見せろ」
都倉はDNA鑑定書を差し出す。父性確率:99.99%。そこには「父親と判定」とも記されている。
都倉「勝手に調べさせてもらいました」
院長「こぉいうことだったんだ。......、目的はなんなんだ」
病室の扉が開く。
俊介が部屋の外で、この2人の一部始終のやりとりを聞いていたのだ。
しかし、父と都倉の過去を知り、俊介のショックは計り知れない。一人悶々とする俊介。
病室での院長と都倉の会話。心を通わせることのできない悲しい父と子である。
一方、都倉は密かに万一に備え、看護婦のマキにバチスタ手術の特訓を行う。
院長の手術を数日後に控えた日、慶明医大からはバチスタの経験者スタッフを出せないと小笠原教授から冷たくあしらわれる。そんななか、俊介は慶明医大のスタッフをきり、独断で他の大学・順真大学から人材を集めることにする。
院長のオペから外された都倉、そのことを由紀子は院長に話す。
院長「あなたも事件の当事者でしたね」
由紀子「父が昨日、涙を流しました。何の日だったのか分かったんだと思います」
院長「報いかもしれないな」
病床の父を見舞う俊介。そして苦悩する俊介は都倉を呼び出した。
俊介は難易度の高い、しかも身内である父のバチスタの手術を自分が行うことに重圧を覚え、そんなことから不甲斐ないものの、技量が上回る都倉にバチスタの手術をゆだねる。
俊介「おやじを助けてくれ」
都倉「分かりました」
都倉の執刀のもと、院長のバチスタ手術が行われる。家族、そして病院スタッフの思いが交錯するなか、オペは無事終わる。
院長の家族に分かってもらうためにと、由紀子が持参した事故当時の新聞のコピー。
都倉は、ふと新聞の別な記事に目をとめる。当時、大雨で道路は通行止め、山梨から東京へは車では帰れなかったことが分かる。
都倉「あの男は......、院長じゃない」
由紀子「えっ?」
そして術後の院長を見舞い都倉は病室へ。
都倉「どぉして言ってくれなかったんです。あなたは事故現場にはいなかったんでしょ」
院長「命が欲しくていい加減なことを言っていると思われたくなかった。本当のことを言おう。あの刑事さんも連れてきてくれ」
院長は、21年前のあの日のことを語りだし、ジオラマの置かれた、あの部屋へ......。
「#9 すべては偶然ではなかった」 (放送日 2002/12/05) =========================
院長の話により、21年前の事故現場にもぅひとりの男がいたことが分かる。
由紀子は、先輩刑事の協力を得て調査を始める。やがて2人の男が捜査線上に浮上。
一方、都倉は反応はあるものの覚醒しない三輪の環境を変えるために、由紀子とともに外へ連れ出し、少女の声に反応していることをつきとめる。
そんななか泉田病院中に、"都倉先生は、院長が愛人に産ませた子供だ。俊介と都倉、どちらが次期院長にふさわしいか" との匿名FAXが大量に届く。
コノ事実はすぐに広まり、しかも、院長はその場でこの事実を認めてしまう。
院内、そして泉田家は崩壊の危機に......。院長の妻・佳代子(泉晶子)は実家に戻ってしまい、都倉に恋心を抱いていた香織は家出。益々俊介は都倉との対立を深めていく。
そんななか都倉は、数々の出来ことが周到に用意されて仕組まれたものではないかと思い始める。
「#10 真犯人」 (放送日 2002/12/12) ==================
病院内に三輪の覚醒を阻止しようとする人間がいることに都倉は気づく。その男が21年間追い続けてきた真犯人だと確信、そして...... ある人物に思い当たる。
そんななか、ついに三輪が覚醒する。しかしまだ言葉は発せないでいた。
そんな三輪の覚醒に安藤は驚きを隠せないでいた。由紀子は、その人物の身辺調査を始める。三輪の病室には警備員を配置、万全の体制で臨む。
一方、泉田病院では、さらなる経営悪化が進んでいた。安藤がもたらした赤字に加え、多くの医療スタッフの援助を受けていた慶明医大とのパイプをきったことから患者の減少がとまるところを知らない状態にある。
しかしこれは慶明医大の小笠原教授の裏工作が原因だった。安藤が泉田病院を牛耳るために、再び小笠原教授に賄賂をおくっていたのだ。
空中分解状態の泉田家。妻はいくら頭をさげても戻ってきてくれない、娘も。そんな状況を作り出してしまった院長は、都倉に
院長「君はつよい男だな」
都倉「元の身体に戻したいと思う患者自身の強い意志なんです。家族もきっと、そぉいぅものなんじゃないでしょうか」
やっと少し、でも確実に2人の気持ちが通い合った、そんなシーンが、とても印象的でした。
しかしそんななか、警備の隙をついて、三輪の酸素供給スイッチが切られようとする事態が起こるも、都倉がこれを阻止。
都倉「僕は真実が知りたいんです」 都倉は21年前の事故の真相を、その犯人に詰め寄るのだ。
「#11 雨の終わるときに」 (放送日 2002/12/19) ======================
21年前の事故の真相が、また新たな波紋を呼ぶことになる。
三輪の容態が悪化、それを機に事務長・安藤が病院から一身上の都合ということで病院をやめた。
その翌日「職員による殺人未遂事件」との報道がなされる。そんなことから泉田病院には退院希望者が続出する。
一方、由紀子は自分の父親と安藤の父親が同じ、富士見町役場にいたことを調べ上げる。あの事件の動機とも思える記事も見つかり、いよいよ事件の核心へと......。
泉田病院は赤字に拍車がかかり、大学病院からも協力を拒まれる最悪な事態に。
そんななか都倉は心臓外科専門病院への変換を提案する。
しかしそんな提案に院長と俊介は賛成できない。2人はあくまでも総合病院としての泉田病院の存続に強いこだわりをもっている。
そんななか、小康状態を保っていた三輪の容態が急変。
執刀医は院長、そして助手に都倉。この2人を中心としたオペが始まる。院長と都倉、新たな家族の再生が描かれていた。
都倉と由紀子も今までの同士という関係から、新たな展開へ繋がりそうな予感もする。
目の演技だけでの愛情表現も然り、改めて織田さんの目ヂカラに唸った一人である。
またドラマの最後は、再生泉田病院のパーティで終わり新たな予感、それぞれが新しい何かに向う、そんな感じでのランディング。
最終話のタイトル「雨の終わるときに」。そぉ、真夜中の雨がやんだとき、雨はいつまでも降りしきるものではなく、雨のあとには必ず青空が戻ってくる。都倉隆の心にも青空が広がるときが、やっときた。
〔ドラマ全体の感想〕
サスペンス、人間ドラマ、ロマンスと様々な要素がやがて一つの奔流となる…。
織田さんが「振り返れば奴がいる」以来、実に10年ぶりの外科医役を演じたことでも話題になりました。
また、製作発表は視聴者を招待して、放送前の第1話を上映するという趣向でした。
織田さんはダークグレーのスーツに白のシャツとノータイ、L.A.のセレブのような着こなしでした。
そして松雪さんは、背中が大きく開いた大胆な衣装でのご登場でした。
またこのドラマには、いろんな効果をもたらせてくれたものがありました。
1) 都倉先生が華麗なハンドルさばきで走らせている真っ赤な車、ランドローバー。この車が選ばれた理由は3つあるとか?!
@アウトドア仕様である事、A織田さんと松雪さんの2ショットが乗って似合うこと、そしてB紅葉の中で映える色である、ということだったそうです。
2) 由紀子が1人で聴いている曲♪「トロイメライ」。
3) 院長室の奥部屋の巨大ジオラマ。なんでもこのジオラマは、ジオラマ界ではかなり名の知れた方の作品にスタッフが若干手を加えたものとか。
4) 最大の効果をもたらしているのは、ズバリ「雨」!
大事な場面では必ずといっていいほど雨が降る。この雨も弱い、優しい、悲しい、暗い、怖い、そぉいぅイロンナ降らせ方をしていたとか。
雨の降る音に耳を傾けて観ると、また深い味わいがありそうです。そして時には雷が......。やはり雨や雷鳴は、都倉、由紀子、そして院長たちの心理描写でしょう。あの事件に関係している人たちの心の闇の部分。また鳴り響いてやまない雷鳴も。だから、事件に関係していない人たちの部分では雨も雷鳴も、雨に濡れる人は出てこないんですね。
織田さんはインタヴューで「都倉は天才外科医ではあるものの、完成されていない男として演じたい」と仰っていました。
また、「この「真夜中の雨」で、新しい形のミステリーを作ろうとしている。自分自身も試されている感じがしている。だからこそ、時が経ても記憶に残るドラマにしたい」と抱負を語っていました。
ASKAさんが作られたテーマソング♪「そんなもんだろう」は、ビートの効いたアップナンバー。
もがきながらも未来を模索して何かを掴もうとする、そんなパワーを感じさせる楽曲。この曲が織田さんの声にのって実にすがすがしいサウンドとなって私たちの耳にを届いたと思います。
そして、タイトルバックの都会の映像とも重なる部分もあるように思え、都会が持つ野望のようなものを追いかけ、そしていつかは掴む、そんな胸のうちが伝わってきました。 皆さんはどんな感想をお持ちですか......。
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